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正解は イ

解説

ITサービスマネジメント(ITIL)では、インシデント管理と問題管理を明確に区別します。インシデント管理は、サービス停止や品質低下が起きたときに、暫定対応(ワークアラウンド)も含めて一刻も早くサービスを復旧させ、業務を継続させることを目的とします。これに対し問題管理は、インシデントの背後にある根本原因(既知あるいは未知の原因)を究明し、再発を防ぐための恒久的な解決策を策定・実施することを目的とします。選択肢bの「インシデントの発生後に未知の根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定する」は、まさに問題管理プロセスの活動であり正解です。インシデント管理が「今すぐ直す(応急処置で業務を回す)」役割を担うのに対し、問題管理は「二度と起きないようにする(再発防止)」役割を担う、という両者の役割分担を理解しておくことが重要です。この区別を押さえておけば、復旧・記録・連絡といったインシデント管理寄りの活動と、根本原因分析・恒久対策という問題管理の活動を確実に見分けられます。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 ア
「インシデントの発生時に暫定的にサービスを復旧させて業務を継続できるようにする」はインシデント管理の活動です。根本原因の究明よりも、まずサービスを早く復旧させて業務への影響を抑えることを優先する点が問題管理とは異なり、問題管理プロセスで実施する内容ではありません。応急処置はインシデント管理の役割です。
選択肢 ウ
「インシデントの発生に備えて復旧のための設計をする」は、可用性管理やITサービス継続性管理といった、事前の備え・設計を行うプロセスに近い活動です。すでに発生したインシデントの根本原因を究明して恒久対策を立てる問題管理プロセスとは、活動のタイミング(事前か事後か)も目的も異なります。発生前の備えや設計を行うプロセスの活動であり、すでに起きたインシデントの根本原因を究明する問題管理とは活動のタイミングが異なります。
選択肢 エ
「インシデントの発生を記録し、関係する部署に状況を連絡する」はインシデント管理(インシデントの記録・分類・エスカレーション)の活動です。情報の記録や関係者への連絡は迅速な復旧を支える作業であり、根本原因分析と恒久的解決策の策定を中心とする問題管理の活動とは区別されます。迅速な復旧を支えるための記録・連絡であり、根本原因分析と恒久的解決策の策定を中心とする問題管理の活動とは区別されるべきものです。

解くときのポイント

ITIL:インシデント管理=迅速な復旧(応急処置・業務継続)、問題管理=根本原因究明と恒久対策(再発防止)。『今すぐ直す』か『二度と起こさない』かで両者を判別する。