この概念が出た関連問題

この試験の対策ガイド

情報処理安全確保支援士試験 対策ガイド

合格率・勉強法・参考書の選び方をまとめています

見る →
答えと解説を見る(先に解くのがおすすめ)

正解は エ

解説

暗号理論では安全性を2種類に分類する。計算量的安全性(Computational Security)は、「現実的な計算時間・資源では解読できない」という計算複雑性に基づく安全性。RSA・楕円曲線暗号・AES・DH鍵共有は全てこの安全性に基づく(理論上は無限の計算資源があれば解読可能)。情報理論的安全性(Information-Theoretic Security)は、「いかなる計算資源・計算時間を持つ攻撃者でも解読できない」という情報量に基づく究極の安全性。クロード・シャノンが1949年の論文で証明したワンタイムパッド(OTP:One-Time Pad)が唯一の実用的な情報理論的安全暗号。OTPの条件:鍵が完全ランダム・鍵の長さが平文以上・鍵を一度しか使わない。これらの条件下では暗号文は平文について一切の情報を持たず、理論的に解読不可能。PQCを含む現代の公開鍵暗号は全て計算量的安全性に基づく。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 ア
DH鍵共有(Diffie-Hellman鍵交換)は離散対数問題の計算困難性に基づく計算量的安全性の暗号技術。有限体やだ楕円曲線上の離散対数問題は古典コンピュータでは計算困難だが、量子コンピュータ上のショアのアルゴリズムで効率的に解ける可能性があり、情報理論的安全性ではない。十分な計算資源(量子コンピュータ含む)があれば解読可能な計算量的安全性。
選択肢 イ
楕円曲線暗号(ECC:Elliptic Curve Cryptography)は楕円曲線上の離散対数問題(ECDLP)の計算困難性に基づく計算量的安全性の暗号技術。同等の安全強度でRSAより短い鍵長を実現できる効率的な暗号だが、量子コンピュータのショアのアルゴリズムに対して脆弱であり、情報理論的安全性は持たない。
選択肢 ウ
RSA暗号は素因数分解の計算困難性に基づく計算量的安全性の代表的な公開鍵暗号。大きな数の素因数分解が古典コンピュータでは現実的な時間内に解けないという数学的性質に依存しており、量子コンピュータのショアのアルゴリズムで効率的に解読可能になるリスクがある。情報理論的安全性(計算量に依存しない安全性)とは根本的に異なる計算量的安全性の暗号。

解くときのポイント

「情報理論的安全性=計算量に依存しない=ワンタイムパッド」を確実に押さえる。PQCや現代の公開鍵暗号はすべて計算量的安全性。