解説
認証デバイスには様々な生体認証方式があり、それぞれ特性が異なる。虹彩認証(Iris Recognition)は眼球の角膜と水晶体の間にある虹彩(光量調節をする輪状の組織)の複雑なパターンを使用する生体認証。虹彩パターンは生後数年で完成し、成人以降は外傷・疾患がない限りほぼ変化しない(年間変化率が極めて小さい)ことが医学的に確認されている。そのため一度登録すれば長期間更新不要という管理上の利点がある。また虹彩パターンは左右の目で異なる固有のパターンを持ち、一卵性双生児でも異なるため識別精度が非常に高い。偽造困難性も高く、指紋認証より誤認識率が低い。ただし眼への光源照射が必要なため、サングラスや激しい変光が障害となりうる。成人の虹彩は安定しているという特性がポイント。
なぜ他の選択肢は違うのか
- 選択肢 ア
- USBメモリをデジタル証明書(スマートカード型トークン)として使用する場合、証明書には利用者の識別情報・公開鍵・有効期間・発行元CA情報等が含まれるが、証明書をどのPCに挿入するかを特定するPC固有のMACアドレスを証明書に組み込む必要はない。証明書はUSBトークンを所持するユーザー個人を識別するものであり、接続先PCに依存しない設計が一般的。
- 選択肢 ウ
- 静電容量方式の指紋センサーは指の皮膚の凹凸による静電容量(電気容量)の差を検出する電気的な方式。LED照明などの光(可視光・赤外線)の影響を受けない。光学式指紋センサー(光の反射・透過を使用するタイプ)が照明条件の影響を受けることがあり、静電容量方式と光学式を混同した誤った選択肢。静電容量方式は汗・汚れに対する耐性が光学式より一般に低い。
- 選択肢 エ
- 接触型ICカード(ISO/IEC 7816規格)はカードの金属端子(接触電極)を経由して電力・クロック・データを供給・通信する電気的接触方式。コイル(アンテナ)による電磁誘導(誘導起電力)を利用するのは非接触型ICカード(ISO/IEC 14443規格:FeliCa・MIFARE・SuicaなどRFIDカード)。接触型と非接触型の電力供給・通信方式の違いを正確に把握することが重要。