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情報処理安全確保支援士試験 対策ガイド

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正解は エ

解説

量子暗号(主にQKD:Quantum Key Distribution)は量子力学の原理を利用した鍵配送技術。光子の偏光状態など量子状態を使って鍵情報を伝送する。量子力学の根本原理「観測すると量子状態が変化する(ハイゼンベルクの不確定性原理)」により、盗聴者が光子を測定すれば必ず量子状態が乱れ、正規の通信者が盗聴を検知できる。このように盗聴が物理法則レベルで検出可能な通信路で共通鍵を配送し、その鍵をワンタイムパッド(使い捨て乱数鍵)として使用することで、情報理論的に安全な(計算能力ではなく情報量の観点から解読不可能な)秘匿通信が実現できる。量子コンピュータが登場しても安全な点がPQCとの共通点だが、QKDは量子通信路インフラが必要であり、PQCのように既存ネットワーク上では動作しない。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 ア
「量子コンピュータで暗号化・復号を行い大量データを短時間で秘匿する」という説明は量子暗号の定義と異なる。量子暗号(QKD)は暗号化・復号の処理高速化技術ではなく、鍵を安全に配送するための技術。データの暗号化・復号自体はAESなど古典的な共通鍵暗号で行われる。また量子コンピュータは現時点で大容量データの高速暗号処理には使われていない。
選択肢 イ
「共通鍵暗号方式で量子ビットを使い高速データ送受信を実現する」はQKDの説明として不正確。QKDは量子ビット(光子)を使って鍵情報を伝送するが、その後のデータ暗号化はAES等の古典的な方法を使う。また高速データ送受信はQKDの目的ではなく、むしろQKDは少量の鍵情報の安全な配送専用で高速大容量伝送には不向き。
選択肢 ウ
「量子鍵暗号で共通鍵を生成し公開鍵暗号方式で共有する」は量子暗号の説明として矛盾している記述。QKDの最大の目的は公開鍵暗号に依存せず量子通信路のみで安全に鍵を共有することであり、公開鍵暗号を組み合わせると量子コンピュータによる解読リスクが残りQKDの利点が消失してしまうため、この説明はQKDの設計思想に反する。

解くときのポイント

量子暗号(QKD)のポイント: 光子の量子状態(偏光等)で鍵情報を送る。盗聴すると量子状態が変化するため盗聴が検出可能(ハイゼンベルクの不確定性原理)。鍵配送後の暗号化は古典的な方法を使う。