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情報処理安全確保支援士試験 対策ガイド

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正解は イ

解説

PQC(Post-Quantum Cryptography:耐量子暗号、量子コンピュータ後の暗号)とは、量子コンピュータを用いた攻撃に対しても安全性を保つことができる暗号方式の総称です。現在広く使われているRSAや楕円曲線暗号(ECC)は、素因数分解や離散対数問題の計算困難性を安全性の根拠としていますが、大規模な量子コンピュータが実現すると、Shorのアルゴリズムによってこれらが多項式時間で解けてしまいます。PQCは量子コンピュータでも解くことが困難な数学的問題(格子問題・コード理論・多変数多項式問題など)を基盤とします。NISTは2022年に格子暗号ベースのCRYSTALS-KyberやCRYSTALS-Dilithiumなどを標準化候補として選定し、2024年に正式標準化しました。既存システムのPQCへの移行が世界規模で進んでいます。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 ア
「量子アニーリングマシンを用いて回路サイズ・消費電力・処理速度を向上させた暗号方式」は誤りです。量子アニーリングマシンは組み合わせ最適化問題を解くための量子コンピュータで、D-Wave社が代表例です。暗号アルゴリズムの実装性能を向上させるものではなく、そもそも「暗号方式」の定義(安全性の根拠)とは無関係です。
選択肢 ウ
「量子コンピュータを用いて効率的に素因数分解を行うアルゴリズムによって暗号を解読する技術」はShorのアルゴリズムを使った量子攻撃の説明です。これはPQCが「防御」しようとしている脅威そのものであり、PQC自体の説明ではありません。攻撃と防御を混同しないよう注意が必要です。
選択肢 エ
「量子通信路を用いた鍵配送システムを利用し大容量データを高速に送受信する技術」はQKD(Quantum Key Distribution:量子鍵配送)の説明です。QKDは量子力学の原理(観測による状態変化)を使って盗聴を検知しながら鍵を安全に配送する技術です。PQCは古典的なコンピュータ上で動作する数学的手法であり、QKDとは根本的に異なります。

解くときのポイント

PQC=「古典コンピュータで動く、量子攻撃に耐える新暗号」。QKD(量子鍵配送)との違いに注意:QKDは量子通信路を使う実装、PQCは数学的問題の困難性に基づく設計。「Shorのアルゴリズムで解かれる」のがRSA・ECC。「解かれない」ように設計し直したのがPQC。