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正解は ア

解説

サイドチャネル攻撃(side-channel attack)は、暗号アルゴリズムそのものの数学的な弱点を突くのではなく、暗号処理を行う装置から漏れる物理的な情報(サイドチャネル情報)を測定・分析することで、内部の秘密情報(暗号鍵など)を推定する攻撃です。利用される物理情報には、処理にかかる時間(タイミング攻撃)、消費電力の変化(電力解析攻撃)、電磁波の放射、発する音、さらにはエラーの挙動などがあります。これらは、装置が秘密鍵を使って処理を行う際に、鍵のビットの値などに応じて微妙に変化するため、統計的に解析すると秘密情報を推測できてしまいます。選択肢aの「暗号化装置における暗号化処理時の消費電力などの測定や統計処理によって、当該装置内部の秘密情報を推定する攻撃」が、サイドチャネル攻撃の典型例(電力解析)なので正解です。他の選択肢は、選択平文攻撃(数学的な暗号解読)、ショルダーハッキング(覗き見)、無線LANへの電波妨害であり、いずれもサイドチャネル攻撃とは異なります。物理的な漏えい情報を悪用するという点が、サイドチャネル攻撃の本質です。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 イ
「攻撃者が任意に選択した平文とその平文に対応した暗号文から数学的手法を用いて暗号鍵を推定し、解読する攻撃」は、選択平文攻撃の説明です。暗号アルゴリズムに対する数学的・論理的な解読手法であり、装置から漏れる物理情報を悪用するサイドチャネル攻撃とは攻撃のアプローチが異なります。攻撃者が選んだ平文と暗号文の対から数学的に鍵を求める選択平文攻撃の説明であり、装置から漏れる物理情報を解析するサイドチャネル攻撃とはアプローチが根本的に異なります。
選択肢 ウ
「操作中の人の横から、入力操作の内容を観察することによって、利用者IDとパスワードを盗み取る攻撃」は、ショルダーハッキング(覗き見)の説明です。人の操作を肉眼で盗み見る社会的な手口であり、装置の物理的な漏えい情報を解析するサイドチャネル攻撃とは異なります。人の操作を肉眼で盗み見るショルダーハッキングという社会的な手口の説明であり、暗号装置の物理的な漏えい情報を解析して秘密情報を推定するサイドチャネル攻撃とは異なります。
選択肢 エ
「無線LANのアクセスポイントを不正に設置し、チャネル間の干渉を発生させることによって、通信を妨害する攻撃」は、電波妨害(ジャミング)に近い説明です。通信を妨害するDoS的な攻撃であり、暗号装置の物理情報から秘密情報を推定するサイドチャネル攻撃とは目的も手口も異なります。電波の干渉で通信を妨害するジャミングに近いDoS的な攻撃の説明であり、暗号装置の物理情報から秘密鍵を推定するサイドチャネル攻撃とは目的も手口もまったく異なります。

解くときのポイント

サイドチャネル攻撃=暗号装置から漏れる物理情報(消費電力・処理時間・電磁波・音など)を解析して秘密鍵を推定。アルゴリズムの数学的弱点を突く攻撃(選択平文攻撃など)とは別物。『物理的漏えい情報の悪用』が核心。