解説
並列・直列を組み合わせたシステムの稼働率の式を立てる問題です。このシステムが動作するには、「サーバが稼働」かつ「LANが稼働」かつ「3台のクライアントのうち少なくとも1台が稼働」かつ「2台のプリンタのうち少なくとも1台が稼働」が必要です。直列部分は稼働率の積、並列部分は「1−全滅の確率」で計算します。クライアント3台(各稼働率b)が全滅する確率は (1−b)³ なので、少なくとも1台が動く確率は 1−(1−b)³ です。同様にプリンタ2台(各稼働率c)は 1−(1−c)² です。サーバの稼働率は a、LANは1(故障しない)なので、システム全体の稼働率はこれらの積で a×(1−(1−b)³)×(1−(1−c)²) となり、エが正解です。「並列=1から各装置の故障率の積を引く」「直列=稼働率を掛ける」という2つの公式の組合せで、どんな構成でも式を立てられます。冗長化された装置群をひとかたまりの「仮想的な1装置」とみなして、その稼働率を先に求めるのが整理のコツです。
なぜ他の選択肢は違うのか
- 選択肢 ア
- ab³c² は、クライアント3台とプリンタ2台が「すべて稼働していなければならない」直列構成とみなした式です。問題文には「クライアントは3台のうちどれか1台が稼働していればよく、プリンタは2台のうちどちらかが稼働していればよい」とあるため、これらは並列(冗長)構成として扱う必要があります。全台稼働を要求するこの式では、システムの稼働率を実際より大幅に低く見積もってしまいます。
- 選択肢 イ
- a(1−b³)(1−c²) は、並列部分の式の立て方を誤ったものです。b³ は「3台すべてが稼働する確率」なので、1−b³ は「少なくとも1台が故障している確率」を表してしまい、稼働率とは別物です。正しくは故障率 (1−b) を3乗して全滅の確率を求め、それを1から引きます。「1から引くのは『全部稼働』ではなく『全部故障』の確率」という点が、並列計算で最も間違えやすいポイントです。
- 選択肢 ウ
- a(1−b)³(1−c)² は、(1−b)³ という「クライアント3台全滅の確率」をそのまま稼働率の位置に掛けてしまった式です。全滅の確率は求める過程で使う中間値であり、並列部分の稼働率はそれを1から引いた 1−(1−b)³ です。この式ではクライアントとプリンタが壊れているほどシステムが動くという不合理な意味になってしまいます。式を立てたら、b=c=1(全装置が完全)でシステム稼働率がaになるかを代入して検算すると、この種の誤りに気づけます。