正解は エ
ハッシュ関数の安全性に関わる性質のうち、衝突発見困難性(衝突困難性、collision resistance)は、「同じハッシュ値になる異なる2つのメッセージ(衝突するメッセージの組)を見つけ出すことが計算量的に困難である」という性質です。ハッシュ関数は任意長のデータを固定長のハッシュ値に変換するため、原理的には異なるメッセージが同じハッシュ値になる衝突が存在しますが、それを意図的に見つけることが非常に難しいことが、改ざん検出やディジタル署名の安全性を支えます。選択肢dの「衝突発見困難性とは、ハッシュ値が一致する二つのメッセージの発見に要する計算量が大きいことによる、発見の困難性のことである」が、衝突発見困難性の定義そのものなので正解です。なお、ハッシュ値が与えられたときに元のメッセージを見つけることが困難である性質は「原像計算困難性(一方向性)」、あるメッセージと同じハッシュ値になる別のメッセージを見つけることが困難である性質は「第2原像計算困難性」と呼ばれ、衝突発見困難性とは区別されます。計算量に関する選択肢(256の2乗、2の256乗)は、性質の「定義」ではなく具体的な数値であり、定義を問う本問では適切ではありません。
ハッシュ関数の3性質:原像計算困難性(ハッシュ値から元を求めにくい=一方向性)、第2原像計算困難性(あるメッセージと同じハッシュになる別を見つけにくい)、衝突発見困難性(同じハッシュになる2つを見つけにくい)。定義の取り違えに注意。