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正解は ア

解説

データセンタの直流給電の利点を問う問題です。通常の交流(AC)給電では、電力会社からの交流を受電後、UPS内部で「交流→直流(蓄電池充電用)→交流」と変換し、さらにサーバ内部の電源ユニットで「交流→直流」に変換します。半導体機器は内部的に直流で動作するため、変換が何度も発生し、そのたびに数%ずつの電力損失(変換ロス)が生じます。直流(DC)給電方式では、受電後に一度直流へ変換すれば、蓄電池への充電もサーバへの給電も直流のまま行えるため、交流⇔直流の変換回数が減り、変換に伴う電力損失を低減できます。したがってアが正解です。データセンタは大量のサーバが24時間休みなく稼働し電力消費が膨大なため、変換損失を数%削減するだけでも大きな省エネ・コスト削減効果が得られます。グリーンITや省エネルギーの文脈で取り上げられる技術であり、高電圧直流(HVDC)給電方式として国内外のデータセンタで実用化が進んでいます。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 イ
直流給電にしても、受電設備からCPUなどのLSIまで同じ電圧のまま給電できるわけではありません。給電系統は数百ボルト級の高電圧で配電し、サーバ内部でLSIが使う数ボルト以下の低電圧へDC-DCコンバータで降圧します。直流給電の利点は変換「回数」の削減であって、電圧変換そのものが不要になるわけではない点を区別する必要があります。
選択肢 ウ
直流給電にしても停電の危険がなくなるわけではなく、電源バックアップ用のバッテリ(蓄電池)は依然として必要です。むしろ直流給電は、蓄電池が直流で充放電することと親和性が高く、バッテリを給電系統に直結しやすいという利点があります。「停電がない」のではなく「停電対策の構成がシンプルになる」が正しい理解です。
選択肢 エ
トランス(変圧器)で容易に昇圧・降圧ができるのは交流の特長です。交流は電磁誘導を利用したトランスで簡単に電圧を変えられるため、送電網で広く使われてきました。直流の昇降圧には電力変換回路(DC-DCコンバータ)が必要で、トランス1個というわけにはいきません。これは直流の利点ではなく交流の利点を述べた選択肢です。

解くときのポイント

直流給電の利点=AC⇔DC変換回数の削減による電力損失の低減。サーバ内部は直流で動く点、トランスで楽に変圧できるのは交流の特長である点を押さえよう。