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正解は ア

解説

不正のトライアングル理論を問う問題です。米国の犯罪学者クレッシーが提唱したこの理論では、内部不正は「機会」「動機(プレッシャ)」「正当化」という3つの要素がすべてそろったときに発生するとされます。アの「機会」とは、情報システムの技術や物理的環境、組織のルールの不備など、不正行為を実行できてしまう、あるいは容易にしてしまう環境の存在を指します。例えばアクセス制御が甘い、チェック体制がないといった状況です。アが正解です。残る2要素のうち、「動機(プレッシャ)」は不正に手を染める心理的な圧力(ノルマ、借金、待遇への不満など)、「正当化」は「自分は正当だ」「一時的に借りるだけだ」などと不正行為を自分に納得させる都合の良い理由付けを指します。内部不正対策は、この3要素のいずれかを取り除く(特に組織として統制しやすい「機会」を低減する)ことが基本となります。各要素の定義を取り違えさせる選択肢が並ぶため、3要素それぞれの正確な意味を押さえておくことが重要です。

なぜ他の選択肢は違うのか

選択肢 イ
必要な情報が識別・把握・処理され、組織内外や関係者相互に正しく伝えられるようにすることは、内部統制の基本的要素の一つである「情報と伝達」の説明です。これは内部統制(COSOフレームワーク)の構成要素であり、不正のトライアングルの3要素(機会・動機・正当化)とは別の枠組みに属します。似た文脈の用語を混在させた選択肢です。
選択肢 ウ
ノルマによるプレッシャなどのことは、不正のトライアングルの「動機(プレッシャ)」の説明であり、「正当化」の説明ではありません。正当化は不正を自分に納得させる理由付けを指すのに対し、動機は不正に向かわせる心理的圧力を指します。要素名と説明文を入れ替えて誤りを作る典型パターンなので、各要素の定義を正確に対応づける必要があります。
選択肢 エ
良心のかしゃくを乗り越える都合の良い解釈や他人への責任転嫁など、不正行為を自ら納得させる自分勝手な理由付けは、「正当化」の説明であり、「動機」の説明ではありません。これも選択肢cと同様に、要素名と説明文を取り違えさせる誤りです。「正当化=自分への言い訳」「動機=外からの圧力」と方向性で区別すると間違えにくくなります。

解くときのポイント

不正のトライアングル3要素: 機会=不正できる環境、動機(プレッシャ)=心理的圧力、正当化=自分への言い訳。要素名と説明の組合せを入れ替える誤答が定番なので正確に対応づけよう。